エンジニアの年収が低い理由
平均年収は結局どれくらい?
ITエンジニアは技術職ということもあり、職種やプログラミング言語だけで年収を単純比較することは難しいかもしれません。ITエンジニアの平均年収は、さまざまな角度から検証してみる必要があります。働き方や働く地域、年齢、企業形態その他の条件によっても年収は異なります。例えば、正社員のITエンジニアの平均年収は約500万円です。2020年度の調査によれば日本人の平均年収は441万円なので、ITエンジニア全体の平均年収は一般よりもやや高い水準であるといえるでしょう。派遣社員の平均時給は約2,000円で、平均年収は約390万円です。アルバイトの時給は1,200円ほどで、平均年収にすると約230万円になります。
ITエンジニアの年収は地域によっても差があります。関東は444万円であるのに対し、北海道では378万円、九州では419万円とやや低めです。一方、東海では475万円、関西では466万円と関東よりも高めです。働く場所が大企業なのか中小企業なのか、ベンチャー企業なのかによっても年収の限界が異なります。上場企業のITエンジニアの平均年収は574万円と高めで、低いところでも400万円台、高いと1,000万円を超えます。ベンチャー企業は、社員の平均年齢が低いこともありITエンジニアの平均年収は382万円と上場企業より低い金額になっています。
年齢別にITエンジニアの年収を見てみると、20代と40代では300万円近くの差があることがわかります。年収が上がりはじめるのは30代からで、40代を過ぎると緩やかに上昇していきます。言語別だと、Goで600万円、ScalaやRuby、Pythonで500万円から600万円、PHPで400万円から600万円、Javaで450万円から600万円など、主な言語の平均年収は400万円から600万円の間に集中しています。
年収が低いと感じる理由
ITエンジニアの年収について調べていくと、想像以上に低いと思うかもしれません。その理由として考えられるのは、労働時間と年功序列です。日本のITエンジニアは労働時間が長すぎる傾向があるため、一見年収がいいように見えても労働時間が長いだけという場合があります。徹夜が当たり前のような状況こそ減ったものの、残業が多い業界であることに変わりはありません。年功序列の考え方に対する疑問の声は大きくても、実際に年功序列の評価制度から脱却している企業は多くありません。優秀なITエンジニアとして成長できたとしても、年功序列の評価を採用している企業では実力に見合った年収にならないのです。