プログラミング言語によって差はある?
言語ごとの年収はどれくらい?
ITエンジニアの年収は職種によって異なりますが、プログラミング言語も年収を決める要素となります。2017年の段階のデータを基に作られた平均年収ランキングによれば、最も年収が高いのはScalaで、平均年収は626万円でした。Scalaはオブジェクト指向と関数型のいい部分を取り入れたハイブリッド型の言語で、JVM上で動かすことも可能です。次に年収が高かったのがPythonで、平均年収は601万円でした。Pythonは機械学習の分野で使用される言語で、エンジニアの絶対数が少ないこともあって平均年収は高めです。3番目に年収が高かったのがKotlinで、平均年収は577万円です。Scalaと同じくJVM上で動かすことができる言語で、Android開発にも使用されています。4番目は、iOSアプリ開発の基本言語であるSwiftと日本人が開発した言語として有名なRubyで、どちらも平均年収は562万円です。最後はJavaで、平均年収は552万円です。
平均年収はある程度の目安として役立ちます。しかし、平均年収には最低額と最高額が含まれているため、実態とはやや異なる印象を持つかもしれません。そこで参考にしたいのがより実態を反映している中央値です。
中央値で見る言語別の年収
プログラミング言語別の年収を中央値で比較してみると、平均年収で比較した結果とは異なる実態が見えてきます。プログラミング言語別の中央値で最も年収が高かったのが600万円のGoです。2009年にGoogleが公開した新しい言語ということもあって求人数もエンジニアも少ない傾向にありましたが、2018年には求人数が伸びて中央値で1位になりました。平均年収が最も高かった2位のScalaも中央値はGoと同じく600万円でしたが、求人数はGoより少なめであることから中央値のランキングとしては2位となりました。Scalaの次に中央値が高かったのがPythonの575.1万円です。Pythonと僅差だったのがKotlinの575万円です。Kotlinの場合平均年収と中央値の差はほとんどありませんが、求人数は上位3つのプログラミング言語と比較すると少ない印象です。TypeScriptもKotlinと同じく575万円でした。TypeScriptは、マイクロソフト社が開発したオープンソースのプログラミング言語です。JavaScriptに静的型を導入している言語で、JavaScriptのプログラムを使うことができます。Kotlinと中央値は同じですが、求人数がKotlinより少ない傾向にあります。